(ラダリングは)人格構成間の階層構造を説明するために開発された.インタビューアは,理解した構成に対して追加の質問を行う.そうすることで,異なる方向に進むことができる 1
PCTシリーズの最後である.ラダリング(laddering,梯子ののぼりおり)は,主として,インタビューに用いられる技術である.
人が世界を把握するときの見方には,その人が作り上げた「構成」が関わってくる.この「構成」をどう把握するかは,この3つで異なっている.
前々回のレパートリー・グリッドは,構成に対して,ある前提を置く場合もあるが,基本的にtriad(三つ組み)により見つける.3つの要素の中から,仲間はずれを選んでもらい,その時の基準が,一つの構成を形作る.
前回のカード・ソートでは,グループ化を試みてもらい,そのグループ化の基準が,「構成」を形作る.
ラダリングでは,構成は,階層構造をとるという前提に立つ.静的な対象ではなく,インタビューという動的な活動の中で,階層を上がったり,降りたりするので,この名前がある.注意すべきは,インタビューアは,(当然だが)答えを誘導してはいけない.回答者が答えを出せるように,ヒントを与えるだけである.
階層を降るタイプの質問(抽象から具象へ)
それが,Xだとどうして分かりましたか?
Xの例を挙げてもらえませんか?
階層を昇るタイプの質問(具象から抽象へ)
どうして,Xを好むのですか?
階層は同じだが,別の視点を求める
Xに類似した他の側面を思いつくことができますか?
このようにして,階層構造をとるということを意識してインタビューすることで,回答者の構成を明らかにすることができる.
なお,インタビューについては,もう一度,説明がある(2.3.1).
(nil)
Notes:
- Pankratz, O.; Basten, D.; Pansini, F.; Terzieva, M.; Morabito, V.; Anaya, L. A., Ladder to success–eliciting project managers’ perceptions of IS project success criteria. Ladder to success–eliciting project managers’ perceptions of IS project success criteria 2014. ↩