前回の,製品とプロセス(プロジェクト)のリスク評定をしただけでも,行動が変わる可能性があり,意味がある.しかし,やはり,リスクの顕現に備えるべきである.
このとき,製品リスクに対しては,要求の変更が必要になる.プロセスリスクに対して対抗策をとれば,プロジェクト計画書が変更になる(プロジェクト計画書は変更されない文書の代表的なものだが).
この項には,幾つかのリスク削減戦略が書かれている.
生じやすさを減少する
プロダクトリスクの例として,自動車の操縦支援が挙げられている.操縦支援により,事故になる率を減らす.
リスクを回避する
プロダクトリスクの例として,インターロックを挙げている.
リスクが顕現する割合を減らす
プロダクトリスクの例としては,走行中にドアが間違って開いても,そのことをアラームによって運転手に知らせる機構があれば,実際の危害「乗客が走行車両から落ちる」は減少できるとしている.
顕現した被害を避ける
列車の位置と速度情報が不正確と考えられる場合,衝突しないこととする.ここでは,仕様書にもれなく記載するということでしかないのだが.
顕現した被害を緩和する
会議管理システムにおいて,重要な参加メンバが出席できなくなった.仕様にビデオ会議システムを追加することによって,緩和できるとしている.
対向手段の例は,あくまで例である.本格的なリスク対抗手段は,詳細になり,ドメインに深く依存してしまう.例の役目を果たさない,かもしれない.
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