イベントトレース図は,伝統的にはメッセージシーケンスチャート(MSC)と呼ばれるものである.長く,通信業界で用いられてきた 1
UMLでは,バージョン2になってから,シーケンス図にMSC的記述が取り入れられた.もちろん,違いもある.MSCでは,プロセス単位の記述を行うが,シーケンス図では,インスタンス単位の記述を行う.MSCにおけるメッセージの送受信は,プロセス間のメッセージの送受信であるのに対し,シーケンス図では基本的に関数呼び出しである.
ただ,図がどこに重きを置いているということとは別に,要求段階では,我々は(アクタ或いはエージェント同士のやりとりを記述するので)プロセス単位で考えるべきだし,関数呼び出しというよりメッセージのやりとりと見なすべきである.
下図に会議スケジュール管理システムの例を示す.
ここで,’?’は インターラクションにおいて,なんらかの回答を求める表記を示している.’!’は,その答えである.
Notes:
- Z.120 Formal description techniques (FDT) – Message Sequence Chart (MSC), ITU-T, 2004 ↩